昨日2月21日、第27回若山牧水賞授賞式・受賞祝賀会に参加させていただきました。
受賞されたのは奥田亡羊さん、受賞作品は歌集「花」(令和3年12月10日 砂子屋書房発行)
場所は宮崎観光ホテル東館3階「碧翠燿(へきすいよう)の間」にて開催されました。
若山牧水と、あくがれ蒸留所のつながりについて
弊社WEBページ(蔵について)にも記載させていただいている通り、弊社は歌人若山牧水の生誕地である宮崎県日向市東郷町に2004年に立ち上がった酒蔵です。名前にある「あくがれ」は若山牧水の短歌であり
「今日もまた、こころの鉦を打ち鳴らし 打ち鳴らしつつあくがれていく」の一節より、若山牧水研究の第一人者でもある伊藤一彦先生に命名いただいたものです。若山牧水生誕の土地にある酒蔵として、あくがれ蒸留所は牧水賞を応援しつづけています。
奥田亡羊氏について
第27回若山牧水賞を受賞された奥田氏は京都府生まれ、佐々木幸綱氏に師事。NHKディレクターという異色の経歴を経て定時制高校の自立支援相談員として高校生の就労を支援、相模女子大学講師、早稲田大学講師という一面をお持ちの方です。
▶︎主な作品
歌集 「亡羊」(2008年、大52回現代歌人協会賞受賞)
「男歌男」(2018年、第16回前川佐美雄賞受賞)
第27回若山牧水賞授賞式
牧水賞授賞式のスタートは若山牧水の母校である坪谷小学校の児童による牧水の歌斉唱です。1年生から6年生までの小学生が牧水の歌を詠み、唄い、統一感があって素晴らしい斉唱を聞かせていただきました。
次に、若山牧水賞運営委員会委員長である河野俊嗣宮崎県知事から挨拶と表彰状が送られました。
そして主催者の一人で、若山牧水研究の第一人者でもある伊藤一彦先生による挨拶と、奥田亡羊氏の紹介がされ、宮崎県議会議長の中野様の挨拶と、選考委員である佐々木幸綱氏(第二回若山牧水賞受賞者)、高野公彦氏(第一回若山牧水賞受賞者)、栗木京子氏(第八回若山牧水賞受賞者)による今回の受賞作品である「花」の講評が行われ、短歌を知らない我々にもわかりやすくその素晴らしさを説いていただきました。
休憩を挟んだ後にはトークショーが行われ、ゲストとして第五十回角川短歌賞受賞という経歴を持ち、「コスモス」短歌会所属の小島なお氏、「心の花」会員であり、第六回みやにち俵万智短歌賞受賞経歴を持つ門田祥子氏、宮崎大学農学部に在学中で第三十四回歌壇賞受賞の経歴を持つ久永草太氏、伊藤先生、受賞者である奥田亡羊氏を合わせて5人の話を伺うことができました。
流石に皆さん言葉を仕事にされているだけあって、短歌の知識は無くとも、すらすらと話が耳に入ってくる上に、話の構成や言葉選びなど分かりやすく、短歌に興味をそそられるようなトークショーでした。
奥田亡羊氏「第27回若山牧水賞」受賞祝賀会
受賞式の後は受賞祝賀会が開催されました。
奥田亡羊氏は、短歌とSNSは親和性が高いと口にし、「私は短歌というのは、誰かに話しかけるものであってほしいと思っていて、それが届いて、若い人たちから何か返事があればと思う。そうした短歌を通じた会話が若い世代と年配の世代の間や、別々の地域に住む人たちの間で盛んになっていけばいいと思う」と話していました。翌日も日向市の富島高校にて講演会があるとのことで、学生との交流を楽しみにされていました。この度は第27回若山牧水賞受賞、受賞おめでとうございました!