芋焼酎の製造時期は、酒蔵にもよりますが10月、11月、12月に行われるのが通常です。これは「甘藷の収穫時期=新酒を仕込む時期」となり、この時期は蔵人一丸となって焼酎造りを行います。
では、それ以外の期間どんな仕事があるのか、製造部は基本的にメンテナンスや研究などが主な業務になってきますが、今回はあくがれ蒸留所の命でもある井戸・貯水タンクのメンテナンスの一部始終をご紹介します。
あくがれ蒸留所の焼酎に使われる水は弊所に沿って流れる清流耳側の伏流水(ふくりゅうすい)です。では伏流水とはなんでしょう?と言われるとわからない方も多いのではないでしょうか。伏流水とは、河川水が川底に浸透し、地中の砂利層などで自然に浄化された水のことを言います。この伏流水を貯めておく井戸と貯水タンクが弊社の一角には存在します。
左の貯水タンクからパイプでつながっているのが井戸になります。
異物混入の無いようにこの場所は関係者以外立ち入り禁止であり、厳重なロックがかけられています。このロックがかけてある場所がフィルター部分になり、あくがれ蒸留所では年に3回(4ヶ月に1回)フィルターを交換します。
ロックを外し、ろかする筒を出して水洗いします。
新しいろ紙(円柱形)を設置します。
ろ紙を底まで押し込みます。
蓋を閉じて終了。
これにてフィルター交換終了です。4ヶ月後、真っ白のフィルターは組み上げられた伏流水に含まれる土の色になります。定期的にメンテナンスを行うことで焼酎の質は保たれています。