焼酎の熟成といえばタンク熟成・甕壺熟成が定番です。
タンク熟成は大量生産向きでタンクの匂いが焼酎に移らない、甕壺熟成は表面に気孔があり、その中に溜まっている空気が焼酎の熟成を促進する。等それぞれのメリットがあります。
今回はもう一つの熟成方法「樽熟成」を紹介します。
酒樽というと、ウイスキーやブランデー、ワインなど洋酒の貯蔵や熟成に使われるイメージがあると思いますが、 最近では樽で熟成する焼酎も増えてきました。 焼酎もウイスキー・ブランデー同様、木の樽に入れて熟成させることが酒税法で認められています。
では「樽熟成焼酎」にはどんな特徴があるのでしょうか
樽熟成焼酎に利用される樽材の種類
樽熟成は樽材(木の種類)によってその香りが変わってきます。主な樽材は下記4種類になります。
アメリカンホワイトオーク
セシルオーク(フレンチオーク・ヨーロピアンオーク)
コモンオーク(リムーザンオーク)
ミズナラ
もちろん上記の樽材以外でも樽は作られますが、上記4種類が主要な樽材と言えます。
樽熟成焼酎はなぜ色が薄いのか
ウイスキーやブランデーも蒸留したての際、色は無色透明であり焼酎と一緒です。樽で熟成した液体は樽の色がつき琥珀色に変化していくもの。 しかし樽熟成された焼酎は琥珀色より、薄い琥珀色をしているものしか存在せず、「本当に樽熟成しているの?」と疑いたくなるものもあります。
実はこの色の薄さには理由があります。
国税庁の酒税法及び酒類行政関係法令等解釈通達によると
13.木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認の取扱い
令第56条第3項後段《承認を受ける義務》に規定する木製の容器に貯蔵した焼酎等を移出する場合の承認は、当該酒類を未納税移出する場合には、酒税の取締り上支障のない限り与えることとし、その他の場合には、次の(1)から(3)までの要件をいずれも満たしている場合に限り与える。
(注) 同項に規定する「木製の容器に貯蔵したアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎を含むアルコール又は連続式蒸留焼酎若しくは単式蒸留焼酎」には、木製の容器に貯蔵したアルコール等と、それ以外のアルコール等とを混和したもののほか、木製の容器に貯蔵したアルコール等そのものも含まれるものであるから留意する。
(1) 着色度
貯蔵後の焼酎等を移出する際にして、当該酒類について日本産業規格に定める吸光光度分析通則に従い、430ナノメートル(nm)及び480ナノメートル(nm)の吸光度をそれぞれ測定し、その 着色度がいずれも0.080以下 となるもの。
0.080以下とはどのくらいかというと、ウイスキーの1/10程度の色の薄さをイメージしてもらえればわかりやすいと思います。
樽で熟成されるのは麦焼酎が定番?
樽熟成焼酎というと、焼酎原料として多く用いられているのは麦焼酎です。 なぜ麦焼酎の樽熟成が多いのかというと、樽熟成されるウイスキーと麦焼酎は原料が同じ大麦を使っているから です。ウイスキーにもたくさん種類があるので一概には言えませんが、シングルモルトでおなじみモルトウイスキーは大麦で作られています。
もちろん米焼酎や芋焼酎を樽熟成した焼酎も存在しますが、品数が少ないのは、麦焼酎に比べて香りが強く、個性を打ち消しあう焼酎になってしまいがちだからと推測します。弊社のラインナップは芋焼酎ですが、芋焼酎にもよりますが、芋の香りと樽の香りがどうしてもマッチングしないと弊社では判断していました。
芋焼酎を樽熟成した「日向あくがれ樽仕込みシリーズ」とは
弊社は様々な工夫を行い”あえて”樽熟成芋焼酎の開発を進めてきました。
香りの調整
芋の香りと樽の香りを打ち消し合わせないためにも、「日向あくがれ樽仕込み」に用いられる焼酎は、原料のクセを少し抑えるために減圧蒸留ですっきり飲みやすく仕上げています。また、樽はシェリー樽を採用し、芋の香りに沿った匂いのマッチングを目指しました。
アルコール度数の調整
アルコール度数は30度。弊社のラインナップの中では比較的度数が高い焼酎です。もちろんストレートで飲んでいただく上でも強いインパクトを重要視しました。その上でハイボールを作ることを意識して度数の設定は行われています。ストレートやロックとはひとつ違った楽しみ方も出来ます。
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