「初垂れ(はなたれ)」という焼酎をご存知ですか?もし知っているなら、あなたは中々の焼酎通と言えるかもしれません。
初垂れ(はなたれ)とは焼酎の蒸留過程において一番初めに蒸留される、ごく一部の焼酎のこと を言います。
ちなみに我々が普段飲む焼酎は「本垂れ(ほんだれ)」と言って初垂れ(はなたれ)の次に蒸留される焼酎になります。ちなみに最後の方に蒸留される焼酎を末垂れと言います。
今回は初垂れ(はなたれ)についてご紹介します。
初垂れ(はなたれ)について
初垂れ(はなたれ)とは、焼酎の蒸留過程において一番初めに蒸留される焼酎のことであり、どんな焼酎にも存在するものです。しかし 全体の数量の1~3%程度しか取れないため飲みたいと思っても手軽に飲めるものではない焼酎と言われています。 あくがれ蒸留所にも初垂れ(はなたれ)をベースにした「初留取り」という焼酎が期間限定で販売されますが、出荷数はごくわずかであり、希少価値が高い贅沢な焼酎と言えるでしょう。また、初垂れ(はなたれ)には数量の他にも希少価値を高める要素が沢山あります。
高いアルコール度数
焼酎として蒸留されるアルコール度数は最初が最も高く、後に蒸留されるほどアルコール度数は低くなります。ちなみに初垂れ(はなたれ)として最初に蒸留されるのはアルコール度数が60度以上の液体です。販売する場合は、酒税法上そのままのアルコール度数での発売はできないため、加水してアルコール度数を45度以下に調整し販売する必要があります。 アルコール度数が45度を超える場合、「スピリッツ」に該当してしまうため焼酎として販売することはできません。
華やかな香り
焼酎は発酵させたもろみから蒸留させるものですが、 沸点の低い成分から順に蒸留されていくため、一番初めに蒸留される初垂れ(はなたれ)はその成分の影響を大きく受けます。 蒸留される成分には香りが強い香気成分というものが含まれており、比較的沸点の低い香気成分である酢酸エチル(77度)は、パイナップルやバナナのような華やかな香りを持っており、それが初垂れ(はなたれ)が華やかな香りを持つ理由でもあります。
凍らない
アルコール度数の高いお酒ほど凝固点(凍りはじめる温度)が低いので、アルコール度数が60度以上の初垂れ(はなたれ)は家庭で使う冷凍庫に入れても凍ることはないでしょう。ちなみにあくがれ蒸留所の「初留取り(アルコール度数42度)」を長期間冷凍庫に入れていた状態でも、焼酎は液体の中でみぞれになる程度です。しかし度数の高い初垂れ(はなたれ)は、冷やすことでトロっとした状態に変化し、一味違った食感を感じることもできるでしょう。
どこまでが初垂れ(はなたれ)か
焼酎の蒸留過程において一番初めに蒸留される、ごく一部の焼酎のことを初垂れ(はなたれ)と説明しましたが、初めに蒸留される焼酎のうち何ℓが初垂れ(はなたれ)なのかというと、明確な基準は決まっていません。蔵の杜氏によって決められる歩合なので、ここまでを初垂れ(はなたれ)、ここからが本垂れ(ほんだれ)、ここからが末垂れ(すえだれ)という基準は焼酎蔵毎に異なります。
初垂れ(はなたれ)を商品化している蔵は実は意外に少なく、蔵によっては次回蒸留予定の2次もろみに初垂れ(はなたれ)を入れ、再び蒸留することで蒸留する焼酎の収量を増やされている焼酎蔵もあると聞いたことがあります。蔵によって初垂れ(はなたれ)の扱いは様々です。
初垂れ(はなたれ)のオススメの飲み方について
好きな飲み方で飲むのが一番ですが、 あくがれ蒸留所の「初留取り」は極限まで冷やしてショットグラスなどで少量ずつ口の中に入れ、味わいながら飲んでいただくのが一番おすすめです。 度数が強いと思われる場合はロックで飲まれるのがオススメです。
あくがれ蒸留所の初垂れ(はなたれ)はわずか1.66%
初垂れ(はなたれ)を飲みたい!そう思っても酒税法上、アルコール度数の高い初垂れ(はなたれ)を飲むことはできません。しかしこの味を感じてほしい、そういう思いからアルコール度数を加水調整したいわゆる「初留取り」と呼ばれる焼酎を商品化している蔵はあります。焼酎の価値観が変わる「初留取り」ぜひ味わってみてください。
今季も「初留取り(しょりゅうどり)」を販売する時期がやってきました。あくがれ蒸留所の「初垂れ(はなたれ)」は全体総量のうち1.66%に限る希少価値の高い焼酎です。
その初垂れを加水し、アルコール度数を42度に調整した「初留取り」。華やかな香りとインパクトがある飲み口は、この焼酎を飲んだ後は、他の焼酎は飲めないとおっしゃられる方も多い焼酎です。
今季限定300本。
2021年度分は2月10日20時 インスタライブ 後より販売開始いたします。