焼酎会社、いわゆる酒蔵に清潔なイメージがありますか?
酒蔵というと無骨な職人がせっせとお酒造りに精を出していて、
「麹の汚れは文化のうちとする」
腕を組んだ職人さんがしかめっ面でそう言う。そんなイメージを持っている人もいるんじゃないでしょうか
お酒造りに関して、ここ最近までそういう風潮はあったかもしれません。また、酒蔵というと決して清潔なイメージで想像できるものではなかったと思います。
しかし
「酒蔵を清潔にせずに、いい焼酎は作れない」
そんな思いがあくがれ蒸溜所にはあります。
今回はあくがれ蒸留所が、どれだけ清潔に気を使っているのかを紹介します。
スローガンとして掲げる7S活動
あくがれ蒸留所は7S活動をスローガンの一つとして取り組んでいます。
こちらは正面玄関の脇に掲げている旗になります。
そもそも7S活動とは
トヨタが提唱している、整理、整頓、清掃、清潔、躾から構成される5S活動。それに加えて食品衛生に特化した進化版として、洗浄、殺菌の2項目を追加した活動のことを7S活動と言います。
7S活動は5S活動と目的そのものが異なります。5Sの目的は生産性を向上させることが目的ですが、7Sの目的は清潔であることであり、特に飲食を扱う企業にとって「食中毒」など、衛生面からくる問題は特に気にしなければいけないことです。
もはや説明不要の5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)ですが、残り2項目の洗浄、殺菌について説明していきます。
5Sには「洗浄」によく似た「清掃」がありますが、清掃をしたところで、見た目は綺麗になるかもしれませんが、食中毒などの問題を防ぐことはできません。菌や微生物は掃除をしたところで排除できないからです。その目的を達成するために「洗浄」があります。そして「殺菌」です。社内で扱うものは全てにおいて洗浄、殺菌が伴います。
あくがれ蒸留所では、玄関にはもちろん、区画が変わる至る所にアルコール除菌スプレーが置かれており、菌や微生物などの侵入を許さない仕組みがあります。
焼酎作りのために行っている7S活動の一部
カビの除去
焼酎も日本酒もそうですが、酒蔵には「麹」が存在します。お酒を作る上で欠かせない原料の一つである麹。この「麹」の取り扱いには、特に気をつけなければいけません。実は麹もカビの一種であり、ほっておくと酒蔵の壁にはカビが大量発生しています。あくがれ蒸溜所では日々の清掃はもちろん、定期的に壁面、天井にこびりついたカビを洗浄しています。
しかし、カビの繁殖力は強く、洗浄したとしても酒造行程時には麹が空中に浮遊し、壁面や天井にこびりついての繰り返しになります。そこで「殺菌」の行程になります。あくがれ蒸留所では殺菌効果のある防カビ塗料を使用しており、抗菌力が広範囲にわたり、天井や壁面などのカビ、バクテリアを防除し室内を衛生的に保っています。
掃除における気遣い
掃除をするからには、周囲に気をつけて掃除をする必要があります。例えば水場などの近くにある商品には、水がかかってもいいように(あえてかけるような真似はしませんが)、当然防水処置をしており、温度湿度も気遣った上で保管されています。あくがれ蒸溜所社員にとって、商品は会社の顔です。お客様がせっかく購入していただいた商品が汚れていたのでは失礼になります。掃除はあくがれ蒸溜所の日課であり、社員一丸となって行なっております。
常に整頓
下記の写真はお酒を瓶詰めしたり、中身を検品したり、ラベルを貼る作業場の一部です。作業前にもちろん清掃、洗浄は行いますが、現在のように作業は行なっていない時期でも整理整頓を含めきちんと作業に備えている状態です。
まとめ
酒蔵はうまい焼酎を作ることが使命です。人の出入りがある蔵見学を実施しているあくがれ蒸溜所にとって、7S活動にはしっかり取り組み、その状態を保つことが重要です。そしてなによりも、購入していただくお客様にお酒と一緒に安全を売っていることを意識しています。7S活動は安全を守るために取り入れている最低限、かつ最重要なスローガンです。